電子趣味の部屋

電子系のガジェットやアプリ開発等の趣味の話題を書いてます

MSXで遊ぶ! Mega Flash ROM SCC (2021年版)

久しぶりにMega Flash ROM SCCを作ろうと思ってたところ、以前書いたエントリー(MSXで遊ぶ! Mega Flash ROM)ではリンク先が無くなっていたりと情報が古くなっているため、現在の情報で書き直します。

Mega Flash ROMの製作

用意するもの

まず必要なのはフラッシュメモリICです。この改造にはAM29F040Bの32ピンDIP型を使います。
型番はAM29F040B-90PD, AM29F040B-90PC, AM29F040B-90PIがありますが、数値部分は転送速度で120(AM29F040B-120PC等)でもかまいません。
サイズは4Mbit(512KBytes)です。
既に生産終了しているみたいで、大変入手困難です。

SCCのゲームカートリッジ。今回の例では「激突ペナントレース」を使います。

他に使えそうなゲームはSCC - Wikipediaを参考にすると、
F1スピリット(MSX)
王家の谷 エルギーザの封印(MSX1)
王家の谷 エルギーザの封印(MSX2)
クォース(MSX2)
グラディウス2(MSX)
激突ペナントレース(MSX2)
激突ペナントレース2(MSX2)
ゴーファーの野望 エピソードII(MSX)
沙羅曼蛇(MSX)
スペースマンボウ(MSX2)
メタルギア2 ソリッドスネーク(MSX2版)
です。

他に抵抗4.7kΩ 1個と 1回路1接点スイッチ 1個です。

制作手順

まず基板を取り出します。

この大きい方のICがSCCで、小さい方のICががマスクROMです。
このマスクROMを取ります。

ハンダ除去は、吸取り線や吸取り機で構いませんが、サンハヤト はんだシュッ太郎NEOを使うと画像のように非常に簡単に綺麗に半田を吸い取ることができます。

1、2、22、24、30、31ピンの足を広げて先端を切断します。
このピンは基板にはんだ付けしないようにしてください。

SCCとAM29F040Bを下の様に配線します。

AM29F040B SCC
1ピン 40ピン
2ピン 38ピン
24ピン 8ピン
30ピン 39ピン
31ピン 12ピン

少々複雑ですが、抵抗とスイッチを下の様に配線します。
 抵抗(4.7kΩ)の一方をVccへ接続
 AM29F040Bの22ピンを抵抗のもう一方の足&スイッチの足へ接続
 SCCの10ピンをスイッチの空いてる足へ接続
参考回路図


ケースに入れて、前に本家サイトにあったラベル(現在は入手不可)を印刷して仕上げてみました。
ちょっとスイッチの部分の加工が雑ですが。goot ホットナイフ HOT-60R使用

基板の画像を見ればわかると思いますが、スイッチを上にするとカートリッジを停止状態にできます。

メガROMのバックアップ

必ず所有しているROMのバックアップのみに限定してください。他人からの譲渡やネットからダウンロードしたROMのイメージファイルを使用した場合は違法コピーとなります。また、MSXのROMにあるかわかりませんが、コピープロテクトがされている場合、それを解除してバックアップしても違法コピーとなります。

ツールの準備

まず専用のMSX-DOS起動ディスクを作ると便利です。
MSX-DOS起動ディスクの作り方がわからない人は手を出さない方が良いです。
ROMをバックアップしてイメージファイルを作るには、似非職人工房・非公認出張所 (似非なページ)にあるバックアップツール 95年10月30日版(bu951030.lzh:6748bytes)を入手してください。(直DL)
このアーカイブの中にある"MGSAVE.COM"を使います。
作成したMega Flash ROMに書き込むには、MSX Cartridge Shopのページから[Flash] - [MegaFlashROM SCC+ SD]とクリックして表示されるページの下の方にあるLegacy versions:OPF 0.78を入手してください。(直DL)
このアーカイブの中にある"OPF.COM"を使います。

ここではグラディウスをバックアップしてみます。

ROMファイルの作成

ここで紹介する方法は少々強引な手法ですので、最悪の場合は本体やROMが故障してしまいます。すべて自己責任でお願います。
まず。MSX-DOSを起動します。

MSX-DOSを起動したらそのままROMをスロットに挿します。このときポーズ状態にすると良いようです。

無事にスロットに差し込むことができたらポーズを解除します。
このときに本体がフリーズしたり再起動したら失敗です。ROMを抜いてMSX-DOSの起動からやり直してください。
"MGSAVE.COM"を実行します。

MGSAVE <出力ファイル名> /S<スロット番号(数値2桁)>

ここでは出力ファイル名を"GRA.ROM"とします。

"GRA.ROM"の出力が成功しました。

Mega Flash ROMへの書き込み

一度電源を切り、Mega Flash ROMをスロットに挿してスイッチを停止状態にしてMSX-DOSを起動してください。
MSX-DOSが起動したら、スイッチを稼動状態にしてください。
"OPF.COM"コマンドを実行します。ROMバンクのタイプは自動的に判別してくれます。うまく書き込めない場合は明示的に指定してみてください。(OPFコマンドのマニュアルを参照してください。)

OPF <ROMファイル名>



書き込みが完了したら再起動してください。
無事に成功すると、ROMが起動します。

通常ROM(32KB以下)のバックアップについて

パッチワーク展示館(1号館)からNSTOOL.LZHを入手してください。(直DL)
アーカイブの中に"NSSAVE.COM"があります。
手順は同じで、"MGSAVE.COM"の代わりに、"NSSAVE.COM"を使用してください。
書き込みは"OPF.COM"でできます。